カーコーティングは車をキレイな状態に保つことができます。近年は車の寿命がのび、カーコーティングをおこなう割合もたかくなってきています。カーコーティングにはどのような種類と特徴があるのかをみていきましょう。
カーコーティングの基本的な目的
車は日常的にさまざまな環境でダメージにさらされています。カーコーティングを施す目的はそれら下記のようなダメージから車を保護することにあります。
- ●雨やホコリによる汚れ
- ●紫外線の影響による色あせ
- ●砂や石などによる傷
カーコーティングをおこなうことで外的要因から車を守り、キレイな状態を保つことができるようになります。年月が経っても美観が損なわれず、将来的には査定額のアップにつながる場合もあります。
カーコーティングの種類
カーコーティングにはどのような種類があるのでしょうか。
油脂系コーティング
いわゆるワックスといわれるコーティングで、油が水をはじく性質を利用したものです。比較的古くからあるカーワックスとして定番の存在です。
【特徴】
光沢に優れており、強い撥水性能が期待できます。自分で施すことができ、ワックス剤によっては数百円~3千円ほどとリーズナブルといえます。固形タイプのものから手軽なスプレータイプのものまでさまざまな種類が揃っています。熱や雨に弱く、持続性や耐久性が低いため、1か月に1度といったペースで塗りなおすなどの手入れが必要となります。
ポリマー系コーティング
ワックスが進化したコーティングで耐久性があがったポリマー系コーティングです。シリコンやフッ素などが原料となっています。
【特徴】
油脂系コーティングよりも持続期間が長く、ツヤを出すことに優れています。ガソリンスタンドなどで簡単に施工してもらうことができ、5千円~1万円が相場となっています。持続期間は3か月~半年ほどですが、熱や紫外線に弱く環境によってはコーティングの劣化の進みが早い場合もあります。
ガラス系コーティング
ポリマーにガラス成分が含有されたコーティングで、光沢とツヤのある仕上がりとなります。また撥水性や防汚性効果にも優れています。
【特徴】
ガラス成分が含まれていることで耐久性を高く保ち、ワックスや樹脂系コーティングより効果の持続性が高くなる傾向があり、半年~1年ほどとなります。セルフで施工することは難しいため、カーディーラーや専門業者に依頼することになり、費用は2万円~5万円とやや高額になりますが、しっかりとした硬いコーティングを施してもらうことができます。
ガラスコーティング
完全なるガラスを主成分とした被膜をつくるコーティングで、深い光沢とツヤがでます。撥水性、耐熱、耐紫外線や防汚性能に優れており、高い強度をもちます。
【特徴】
全体的に性能が高く、塗装面が傷ついたり塗装が劣化したりするのを強力に防ぐほか、紫外線や熱、油分からも車を保護します。汚れが付着しにくいので水洗いのみの洗車で簡単に汚れが落ち、車のお手入れが楽になります。耐久性も高く、3年以上の効果が期待できます。他のコーティングとは手順も異なるため、施行には2~3日かかる他、費用もガラス系コーティングよりも高い5万円~10万円となります。
セラミックコーティング
セラミック分子化合物を含有するコーティングで、一度施工すると簡単には剥がすことはできません。超撥水、UVカット効果が高く深みと艶をだすことができます。
【特徴】
ガラスコーティングよりも皮膜が厚く紫外線や酸性雨、傷にも強く、薬剤による劣化や自然劣化はほとんどありません。一度硬化してしまうと研磨などをおこなわない限り剥がれることはありません。ほかのコーティングと比較すると耐久性が非常に高く、一度の施工で5年~7年持続させることが可能となっています。専門店で施工してもらう必要があり、費用は15万円~30万円と非常に高額となります。
カーコーティングの選び方
カーコーティングの種類は理解したけれど、どれを選んだらいいのかわからないという場合のポイントを押さえておきましょう。
費用を重視するなら・・・
上記でみてきたように、コーティングの種類によって費用が大きく変わります。少しでも費用を安く抑えたいと考えるなら、油脂系コーティング、またはポリマー系コーティングあたりがおすすめといえるでしょう。1回の費用は安く済みますが、耐久性が弱く効果が長続きしないため、繰り返しコーティングをおこなうことになります。
見た目を重視するなら・・・
とにかく車のキレイさを保ち、ツヤや輝き、光沢などを失いたくないという場合には、ガラスコーティングやセラミックコーティングを選択するといいです。
紫外線に強いコーティングであれば、色あせなどを防ぎ新車のような状態を保つことができるからです。費用は高くなる傾向にありますが、年単位で効果が持続し、ツヤが失われてきたと感じた場合には再度コーティングをし直すことも可能です。
お手入れを重視するなら・・・
洗車を簡単に、洗車の頻度を減らしたい、自身でコーティングをするのは手間だと感じる人向けなのは、ガラス系コーティングやガラスコーティングといえます。
ガラス系やガラスコーティングは、汚れが落ちやすいという特徴から洗車は水洗いのみで完了します。さっと流すだけで汚れを落とすことができるため、手入れが非常に楽になります。油脂系コーティングのように頻繁にコーティングをおこなう必要がないのも嬉しい特徴です。
駐車の環境によって・・・
車庫や地下駐車場に駐車している場合には雨染みや紫外線ダメージを気にする必要はありませんが、青空駐車の場合では雨や紫外線の影響が大きくなります。
また鉄粉が飛んできやすい工業地帯や砂が多い田畑があるなど近隣の環境によって、必要なコーティングが変わってきます。駐車環境を考慮してどのようなコーティングが必要なのかチェックしてみてください。
車の色によって・・・
白い車と黒い車、傷が目立つのは黒い車です。黒に限らず、紺色やグレーなどの濃色車の場合には、傷がつきにくいコーティングを選ぶのがおすすめといえます。
水のはじき方によって・・・
コーティングには水のはじき方によって3種類の性質に分けられます。これはイオンデポジット(洗車時の水道水や雨などの水分が蒸発し、乾燥していく過程で不純物がボディに残り、白いリング状のシミになったもの)に関係するため水のはじき方でコーティングを選ぶのもひとつの方法といえます。
撥水性
撥水性とは皮膜の表面に微細な凹凸を作ることで水の設置面積を少なくし、水の表面張力によって真円に近い水滴を作ります。水に濡れると玉のように水をはじきますが、水滴をつくるためイオンデポジットができやすいというデメリットもあります。艶や光沢が強く、コーティングをしている実感が得られやすい特徴があります。
疎水性
水との親和性が低く、水分子とまじりにくい性質のことです。撥水性と同様に水を弾きますが、ある程度塗装面に水がなじんで流れるタイプが疎水性です。撥水性と比較すると洗車時の汚れ落ちがよく、イオンデポジットができにくいタイプです。
親水性
水との親和性が高く、水分子と混ざりやすい性質で基本的に水をはじきません。水が塗装面になじみ、水玉にならずに塗装面を流れ落ちます。最もイオンデポジットができにくいですが、水弾きがないことでコーティングを実感しずらいという面があります。
まとめ
カーコーティングの種類とそれぞれの得著について解説しました。住んでいる地域や環境によって、また車をどのような状態に保ちたいかによって必要なコーティングは変わってくるでしょう。種類を理解しておくと実際にカーコーティングをする際の役にたつかもしれません。