車検ではなにをやっているの?車検はどこに依頼するべき?車検のあれこれを解説します。
車検(自動車検査登録制度)の目的
車に長く安全に乗り続けるためには、車検は避けてとおることはできません。車検は国がによって定められた検査であり、きちんと受けなければ有効な車検証が発行されません。車検切れの車で公道を運転するのは違反となり、罰則の対象となってしまいます。車検は、主に以下の目的で行われます。
安全性の確保
車検ではブレーキやタイヤ、ライト、エンジンなどの主要な車両機能を点検し、安全な走行が可能かどうかを確認します。これにより、事故のリスクを減らし、道路上の安全を確保します。
環境保護
車検では、車両の排出ガスや騒音レベルもチェックされます。特に、エンジンの調整や排気ガスの基準は厳格に設定されており、これにより大気汚染や環境への負荷を軽減することが目的です。
適法性の確認
車両が法律に準拠しているかを確認するためのものでもあります。特に、車検ステッカーが貼付された車両は、車両が法的に認可された状態であることを示すためのものです。
保険の更新
車検の際には自賠責保険(強制保険)の更新も行われるため、事故の際に被害者が最低限の補償を受けられるようにしています。
こうした目的から、車検は定期的な点検を通じて車両の安全性や環境性能を維持し、道路利用者全体の安全性と環境保護に寄与しています。
車検のタイミングとは?
車検のタイミングは、車種や使用年数によって異なりますが、基本的には以下のようなスケジュールでおこなわれます。
新車登録後の初回車検
新車を購入した場合、最初の車検は3年後に行います。
2回目以降の車検
初回の車検以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
商用車
トラック、タクシー、バスなどの商用車や使用頻度が高いため、1年ずつの車検となっています。
特定の車両
レンタカー等の特殊車両は最初の車検は2年後でその後は1年ごとの車検が必要です。
車検の有効期限確認方法
車検の有効期限はフロントガラスに貼られた車検証シールで確認できます。シールには「年」と「月」が表示されており、期限が近づくと通知が届くことも多いです。
車検が切れる1ヶ月前から更新が可能で、早めに行っても次回の車検日には影響しませんが、車検の期限を過ぎてしまうと行動を走ることができなくなります。
そのため車検のタイミングは非常に重要となります。余裕を持って車検のスケジュールを管理し、早めに準備することが望ましいといえます。
車検はどこに頼むべき?
車検をおこなう業者はさまざまあります。どこに依頼するのがいいのでしょうか?それぞれの特徴、メリットデメリットをみていきましょう。
ディーラー
自動車のメーカーや販売店であるディーラーでは、専門的な設備とメーカー認定の技術者によって車検を受けることができます。メーカー純正の部品を使ったメンテナンスも提供されるため、安心感が高いとされています。品質や信頼性を重視する方に適しています。
- ・メリット…品質が高い、純正パーツを使用、サービスが充実
- ・デメリット…費用が高い、目安として2~3日かかる
民間整備工場
自動車の整備や修理を行う認証工場でも車検を受けられます。ディーラーよりも費用が安い場合が多く、地域密着型で柔軟に対応してくれることが多いのが特徴です。
- ・メリット…費用がそこまで高くない
- ・デメリット…技術力に差がある
車検専門店
車検専門店は車検に特化しており、短時間での対応や低価格のプランを提供することが多いです。事前の点検から書類の手続きまでを一括で行い、予約や持ち込みがしやすいこともあります。
- ・メリット…費用を抑えられる
- ・デメリット…業者によって技術にバラつきがある
カー用品店
カー用品店の中には、車検を代行しているお店も多くあります。カー用品を豊富に取り扱っているという特性上、メーカーや車種に合わせた対応が柔軟にできます。
また、国から承認を受けた「認証工場」「指定工場」となっている店舗も多く、高い品質を期待できる上、費用はディーラーよりも抑えられる傾向にあります。
- ・メリット…部品交換がスムーズ、大手では比較的安価
- ・デメリット…店舗によって技術力に差
ガソリンスタンド
一部のガソリンスタンドでも車検サービスを提供しています。費用や内容が比較的リーズナブルで、オイル交換や点検などと合わせて利用しやすいのが特徴です。
- ・メリット…費用が安い、近所にある
- ・デメリット…代車がない場合がある、店舗の整備環境によって質にバラつき
上記のように業者によって一長一短といったところがあります。そのため、車検において何を重要とするかによって選ぶといいでしょう。車検をどこで受けるのかでポイントとなるのは、費用、質・安心感、日数などを考慮しましょう。とにかく安く済ませたいという場合は車検専門店やガソリンスタンドがおすすめです。
質や技術力を重視する場合には、ディーラーがいいかもしれません。決まった曜日しか車をもっていけない場合には、車検専門店や整備工場を持っているカー用品店がいいでしょう。
車検の作業内容と費用の内訳
車検ではどのような検査がおこなわれるのでしょうか?
車検の作業内容
車検証と車両の同一性の確認
持ち込まれた車体が車検証と同じ車なのか、車体番号を確認します。このチェックでは同時にエンジンの不正改造の有無を確かめる工程を兼ねています。
外観検査
車両の外観や内装などを全体的にチェックする検査です。ボディをはじめ、ガラスやヘッドライト、室内装備などが当てはまります。
サイドスリップ
ハンドルがまっすぐな状態で車を進ませて、左右へのずれを計測する検査です。1m走行したときの横すべり量が5mmを超える場合、不合格となります。
スピードメーター
速度計の誤差をみる検査です。検査では、表示板の指示に従って車を40km加速した際の実際の速度とスピードメーターの表示の誤差を計測するのです。
ブレーキ
前輪後輪のブレーキ、およびパーキングブレーキの制動力が計測されます。
排気ガス
マフラーから排出されるCO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)の濃度が基準以下に収まっているかを測定する検査です。
下回り
車体の下をチェックしてオイル漏れやボルトの緩み、ハンドルを操作した際の動きなどを確認します。
費用の内訳
どこで車検を受けても同じ費用がかかる法定費用があります。法定費用は車を所有する全ての方が支払うものであり、車両の種類や重量に応じて金額が異なり、車のコンディションとは関係ありません。車検をどこで受けても基本的に変わらないため、避けることのできない固定の費用となります。
自動車重量税
車の重量に応じて課せられる税金です。エコカー減税や免税の対象となるエコカーでは軽減される場合があります。また、13年以上経過した車両や18年以上経過した車両では、税額が割り増しになります。
自賠責保険料(強制保険)
自賠責保険は、事故の被害者への最低限の補償を確保するための強制保険で、車検時に必ず更新が必要です。保険料は車種や期間に応じて変わりますが、車検期間に合わせた2年間の更新が一般的です。
印紙代(検査手数料)
車検の申請手続きや検査を行う際に必要な費用です。運輸支局や民間の指定工場での検査時に発生するもので、車種や検査方法により異なることもあります。
以上の法定費用に加えて、車検の整備費用や備品交換費用がかかることになりますが、各業者が自由に価格を設定することができるため、依頼先によって金額が大きく変わる可能性があります。一般的な検査基本料金の相場は以下のようになります。
車検基本料は業者が設定する費用であり、定期点検料、測定検査料、車検代行手数料、書類作成費用、引取り・納車手数料、代車費用、車検業者の人件費が含まれます。
ディーラー | 35,000~100,000円 |
整備工場 | 20,000~50,000円 |
車検専門店 | 20,000~65,000円 |
ガソリンスタンド | 15,000~75,000円 |
カー用品店 | 15,000~70,000円 |
上記のようにかなりのばらつきとなります。そのため詳細な内訳は車検を依頼する際に見積もりをだしてもらうことをおすすめします。これらの基本検査費用と法定費用を足したものが車検にかかる全体の金額となります。
まとめ
余裕を持って車検のスケジュールを管理し、早めに準備することが望ましいです。車検の予約を早いじきにおこなうことで割引が適用される場合もあるので、車検を検討している業者はまめにチェックしておくといいでしょう。また車検はそれぞれの場所で費用や対応内容が異なるため、自分の車の状態や予算、希望するサービスに合わせて選ぶことが重要です。