起こしたくない車の事故。起こりやすい事故とその原因、対策を解説します。
よくある車の事故
内閣府発表の交通事故発生件数を事故類型別動向によると、追突が9万5,520件と最も多く,次いで出会い頭衝突が7万9,363件となっていて、両者を合わせると全体の事故の56.6%を占めているということです。よく起こる車の事故にはいくつかの種類があります。
追突事故
前の車両に追突する事故です。主に前方不注意や急ブレーキが原因で発生します。
側面衝突
交差点や車線変更時に他の車両と側面で衝突する事故です。信号無視や確認不足が主な原因です。
接触事故
駐車場や狭い道路での車両同士や障害物との軽い接触事故です。
バック事故
駐車場や狭い道での後退中に他の車両や障害物と衝突する事故です。
単独事故
ガードレールや電柱、道端の障害物に衝突する事故です。特にスリップやハンドル操作ミスが原因となります。
巻き込み事故
左折や右折の際に歩行者や自転車を巻き込む事故です。特に死角が多いトラックなどで発生しやすいです。
出会い頭事故
見通しの悪い交差点での車両同士の衝突です。特に信号のない交差点で発生しやすいです。信号を無視して交差点に進入することで、出会い頭の事故が発生しやすくなります。
車の事故原因
上記にあげたような事故には様々な原因があげられます。
不注意運転
スマートフォンの操作や車内の会話に気を取られて前方を見ていない前方不注意や長時間運転や睡眠不足からくる疲労運転による注意力低下も事故の大きな原因のひとつです。
速度違反
制限速度を超えて運転する速度超過によって、ブレーキの効きが悪くなり、制御が難しくなります。またその逆で車の流れにのらず極端に遅い速度で走行する適正速度未満も後続車両との衝突の原因と考えられています。
信号無視
信号を無視して交差点に進入することは、交通ルール違反であり、当然事故を起こす確率を一気にあげることになり、特に出会い頭の事故が発生しやすくなります。
車間距離不足
近年、死者も出るような大きな問題となっている煽り運転も車間距離不足の一種といえます。前の車との距離を十分に保たないことで、急ブレーキに対応できずに追突することがあります。
飲酒運転
これは道路交通法違反であり、違反すると罰金や罰則が科されます。大きく2種類にわけられ、酒気帯び運転では呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された状態をいいます。酒酔い運転ではまっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど客観的に見て酔っている状態を指します。アルコールが運転能力を低下させ、判断力や反応速度が鈍ります。
薬物使用
覚醒剤や鎮静剤などの薬物が運転能力に影響を与えることがあります。
悪天候
雨、雪、霧などの悪天候は視界を悪化させ、路面を滑りやすくします。
道路状況
道路の状態や道幅の狭さ、カーブの多さなどは事故の発生率を高めます。
整備不良
定期的な点検をおこなわないことは、道路交通法に違反します。ブレーキやタイヤ、ライトなどの車両のメンテナンスが不十分だと、事故のリスクが高まります。
運転未熟
初心者ドライバーや経験の少ないドライバーは、運転すること自体に不慣れな状態であり、操作ミスや判断ミスを起こしやすいです。これは運転を重ねることで改善する傾向があります。
気分や感情の高ぶり
渋滞によるイライラや、時間に間に合わないなどの焦りなどの感情は運転に大きく影響します。無理な運転、危険な運転を誘発することがあります。
これらの原因に対処するためには、運転技術の向上、安全意識の徹底、車両の定期点検、適切な速度での運転などが重要です。また、運転中は常に周囲の状況に注意を払い、慎重に行動することが事故防止につながります。
事故を起こさないために気を付けるべき対策
小さな事故も大きな事故も心身にダメージを与えます。運転する際に事故をおこさないための対策を知っておきましょう。
安全運転の徹底
なによりも道路交通法を守ることが重要です。制限速度を守り、道路状況に応じた適切な速度で運転すること、前方車両との十分な距離を保ち、急ブレーキに対応できるような車間距離を常にとるよう心掛けてください。また、信号と標識を遵守し、信号機の指示に従い、交差点では慎重に進入すること、右左折は常に注意を払いましょう。
集中する
スマートフォンにドライブモードが搭載されているように、運転中のスマートフォンの使用禁止を徹底しましょう。また同乗者も気が散るような行動などには気を配り、十分な休憩を取ったり、疲労や眠気を感じたら運転を避けるようにしましょう。
飲酒運転の禁止
運転する予定がある場合にはアルコールの摂取を避け、飲酒してしまったときには運転は絶対に避け公共交通機関を利用してください。飲酒運転の罪は重く事故の大きさによっては、自身の命も危険に晒されてしまいます。
定期的な車両メンテナンス
車両におけるさまざま箇所の点検やメンテナンスを定期的におこないます。ブレーキの効き具合を定期的に確認し、必要に応じて整備したり、タイヤの状態を確認し、タイヤの摩耗や空気圧をチェックしましょう。
悪天候時の注意
天候があまりに悪いときには運転を中止することを前提に、雨や雪、霧などの悪天候時には速度を落とし、慎重に運転します。また冬季にはスタッドレスタイヤを使用するなど適切な装備を整えるようにしましょう。
道路状況の確認
見通しの悪い交差点やカーブでは特に注意を払い、徐行します。駐車場や狭い道では周囲の確認を徹底し、後退時には特に注意し、障害物や人を見落とすことがないように細心の注意をはらいます。
運転技術の向上
長い間運転をしていなかった、運転に不安があるという場合には、運転講習を受けることをおすすめします。最新の安全運転技術や知識を身につけることができます。過度に緊張せずに、まずは近場の慣れた道路を運転することから始め、経験を積むことで判断力や操作技術を向上させましょう。
感情のコントロール
日々の生活の中では色々な場面にでくわし、感情が安定しない場合もあります。常に冷静な運転をするためにも怒りや焦りを感じた場合は、一旦車を止めて深呼吸をおこない落ち着きましょう。音楽やリラックス法をとりいれて、運転中にリラックスできる環境を整えるのもいい方法です。
車同士のコミュニケーション
さまざまな合図は他の車に対してのアピールになります。進路変更や右左折時には適切なタイミングで必ずウインカーを使用してください。また歩行者には、目を合わせたり、手で合図するなど意志疎通をはかるといいでしょう。
まとめ
事故を防ぐためには、常に注意を怠らないこと、率先して安全運転を心がけることが重要です。また、定期的な車両の点検やメンテナンスも事故を防ぐためには重要なことです。対策を実行することで、車の事故のリスクを大幅に減らすことができます。自己中心的な運転をせず、周囲の状況に注意を払いながら思いやりをもって運転することで事故を起こさない努力をしましょう。